恵比寿映画

特別な映画ファンでもない人生半ばの大人が上質で美しい時間を求めて恵比寿からつづる極上の映画体験の記録

2020年2月29 日

シェルブールの雨傘

f:id:EBISUEIGA:20200228133801p:plain

http://www.zaziefilms.com/legrand01_88/

著作権で保護されている場合があります。

恵比寿ガーデンシネマ

満足度

 

ハッピーエンド

 

怖くない

 

エレガント

 

 

ロシュフォールの恋人ですっかり好感を抱き、引き続きミシェル・ルグランのミュージカルに。さすがに全セリフが音楽に乗ると歌い過ぎの感が拭えない。引っ越し業者さんまで歌うことはないかと。

 

愛らしいカトリーヌ・ドヌーブも16歳の場面ではさすがに実年齢の21歳っぽさが出てしまっているように思うが、この時代の女性は今より大人にみえることが多いので、こんなものか。

 

この映画の前に自分でも子供を産んでシングルマザーになったところだというドヌーブだから、子供を連れたラストシーンは最高の表情だったと思う。

 

ところで、お母さんが良い感じ。あの髪型は今でもイケるかも。どの場面でも映える派手な壁紙と一人一色の衣装も真似てみたい。

2020年2月22 日

ロシュフォールの恋人たち

f:id:EBISUEIGA:20200222160844p:plain

http://www.zaziefilms.com/legrand01_88/

著作権で保護されている場合があります。

恵比寿ガーデンシネマ

満足度

CATSの後だったので😋

ハッピーエンド

 

怖くない

 

エレガント

 

 

現代のミュージカル映画最高峰であろうCATSを理解することができずに落ち込んだ後だったので、アナログ感あふれるつくりにホッとしてしまった。

 

足の上げ方が足りないとか、姿勢がそろっていないとか、トランペットもピアノも指と音がずれているとか、かえって味を深めているように思う。例えば音楽の複雑な和音が響き合うように、全体でまとまってさえいれば許せるようになったのは年齢のせいか。CGによるぴったり合いすぎた画像には違和感を覚えているからかもしれない。

 

ストーリーは目に見えているけれど複数の登場人物がそれぞれに際立って見えるので、音楽とあいまってテンポよく進んでいると思う。1時間半くらいで多少の中だるみを感じたが、聞き慣れた音楽に助けられた。

 

怖い場面や汚い画像は一切なし。きっとどこかで聞いたことがある音楽がひとつふたつあるに違いない。フランス好きには、どこか懐かしさすら感じて終わった。

2020年2月14日

CATS

f:id:EBISUEIGA:20200216082955p:plain

https://cats-movie.jp

著作権で保護されている場合があります。

八丁座 広島

満足度

劇場で観たい

ハッピーエンド

 

怖くない

 

エレガント

画面は美しい

 

しなやかな肢体が躍動する画像に乗せてリズム感あふれる歌曲を次々に見せてくれるプロモーションビデオのようだった。劇場に行こう!怖い映画や激しい描写が全くないので疲れないが、ゆるやかなストーリーが心地良すぎて、広島八丁座の広々としたソファシートの誘惑に勝てずしばし惰眠。

https://johakyu.co.jp/theater/hatchoza.html

f:id:EBISUEIGA:20200216082940j:plain

 

 

 

2020年2月7日

ニートエスティ

f:id:EBISUEIGA:20200208160955p:plain

http://phantom-film.com/ronit-esti/

著作権で保護されている場合があります。

恵比寿ガーデンシネマ

満足度

勉強不足で

ハッピーエンド

 

怖くない

 

エレガント

 

 

自分は宗教に詳しいと思わない。ついては全く私の勉強不足のせいで、各人の言動や感情がわかりにくい点が多かった。娯楽のために映画を観たいなら満足度は上がらないかもしれない。

 

オーソドックスにおけるカツラの意味を把握していなかったのであとで調べていたら、実話で同じように悩む記事が複数見つかった。また、ロンドン内でのオーソドックス派は今も増加傾向らしい。8〜9人の子供を産むのが教えだそうなので、不思議ではない。ということは本ストーリーは物語を超えて現実なわけだ。

 

そんな重い題材にしては共感できるつくり方であった。悲壮感というより友人に悩みを相談されているような気になる。

 

ちなみに、ストーリー半ばにして、女性たちの行く末と同じくらいドヴィドがどうなってしまうのか心配になった。最後に彼も自由になれただろうか。

2020年2月1日

ナイブズ・アウト

f:id:EBISUEIGA:20200201161513p:plain

https://longride.jp/knivesout-movie/

画像は著作権で保護されている場合があります。

TOHOシネマズ六本木ヒルズ

満足度

 

ハッピーエンド

 

怖くない

 

エレガント

それなりの美術

 

ダニエル・クレイグの南部訛りに無理がないか。頑張っているのだけれど、頑張っている感じが気になって時々ストーリーに集中できなかった。他は実力派キャストが揃っているだけに悔やまれる。動画でも壁の絵でもクリストファー・プラマーの笑顔がほっとさせてくれた。

 

と言っても集中しないとわからないほどのストーリーではない。日本で2時間サスペンスを見慣れていれば、途中で犯人を言い当てられたとしても不思議ではなかろう。プロットは脚本賞ノミネートだけあって面白いから、犯人の目星がついたとしてもゆっくり楽しめる時間にはなると思う。

 

導入部のキャラクターづくりと最後の種明かしは、セリフより動きを入れてもらったほうがより楽しかったかもしれない。家のつくりや小物は富豪という設定らしく、アメリカの高級感を取り入れていて目に心地良かった。

2020年1月10日

ブレッドウィナー

 

f:id:EBISUEIGA:20200123125014j:plain

 https://child-film.com/breadwinner/

画像は著作権で保護されている場合があります。

恵比寿ガーデンシネマ

 

満足度

 

ハッピーエンド

精一杯の終わりかたかと

怖くない

そうでもない

エレガント

 

 

戦争、子供、とくれば、もちろん悲しいストーリーなのに、アニメという画像の性質かさくさくと進む時空の作りのおかげか、泣き崩れることはなかった。爆撃シーンも長く続かないので心配に値しない。

 

言葉は美しく、語りは心地良い。ストーリーの終わり方は、この状況下ではできる限りのハッピーエンドと言えるのかも知れない。これ以上だとちぐはぐになるだろうし、これ以下だと悲しくて映画のあとも心臓がきゅっと縮んで苦しそうである。

 

便利で平和な環境だけれど人生の岐路で行く先を見失ってオロオロしている自分には、食べることや外を出歩くといった日々の基本行動にたくさんの時間をかけて全力を注いでいる姿が新鮮だった。

 

2020年1月31日

母との約束、250通の手紙

f:id:EBISUEIGA:20200131185840p:plain

https://250letters.jp

画像は著作権で保護されている場合があります

恵比寿ガーデンシネマ

満足度

 

ハッピーエンド

 

怖くない

戦争映画にしては耐えられる

エレガント

 

 

遠い誰かの人生の物語と言えば良いだろうか。この手の映画にはどうも入り込めない。そもそも想像力に欠けているのかもしれない。懸念を持ちながら観た。結果は情けなくも心配したとおり。人生半ばで立ち止まっている今の自分にはもう少し娯楽要素が多めの物語のほうが聞く耳を持てるらしい。

 

ストーリーはさくさく進んで面白い。ほぼ事前情報なしに臨んだため主人公の人種や宗教が事情を複雑にすることを知らず、この周辺だけで心がつかまれた。今日でも、海外に住むと誰からともなく自分の生まれを否定されることがある。相手がいるわけではないので、余計どうしようもなくやるせない。本編では大切な事実の一つとして扱われているだけで切なさも大概にできるから、ご心配なく。

 

ところで、医師に向かって「自分の母親と思え」の発言は面白かった。何かの折に使ってみたいけれど、今の日本ではどんな状況でもこの姿勢はモンスタークレーマーと呼ばれはしないか?要注意だ。

 

最後まで引き込まれなかった理由はお母さんのエネルギッシュなスタイルの設定かもしれない。とてもユニークで物語の主要な設定でありながら、強烈すぎた。まるで取り憑かれたような表情と語気の強いスタイルは自分でもやっていそうで見ているのが嫌だっただけである。

 

250通の手紙をいつ書くのだろうと待っていたら最後の展開に至り、なぜか昔の原田真二の鮮烈3枚同時デビュー作のうち「シャドーボクサー」は、最後にのみしかもコーラスでしかシャドーボクサーという言葉が歌われない構成が新鮮だったことを思い出した。